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22/03/23

国交省、2件の事案に働き掛け

 燃料コスト上昇に伴う荷主の対応を巡り、今年1月までに2件の事案で貨物自動車運送事業法に基づく働き掛けを行っていたことが国土交通省への取材で分かった。同省は適切な価格転嫁が進むよう、荷主に理解と協力を求めており、問題のある事案には必要な対策を講じる方針だ。
 貨物自動車運送事業法では、不当な運賃の据え置きや、運送企業が運賃交渉を求めたにもかかわらず全く応じないといったケースで、働き掛けを行うことができる。対象の2件は原油価格高騰による業績への影響などが原因だったようで、現在はその後、適切な対応が行われたかを見ているという。
 国交省は昨年秋から、標準的な運賃の設定、燃料サーチャージ導入により、燃料費上昇分を反映した適正な運賃・料金への見直しが行われるよう、荷主企業・荷主団体への周知活動を展開。本省、地方運輸局の担当者が関係先を訪問し、価格転嫁の必要性を説明している。
 また荷主への周知活動と合わせ、本省、地方運輸局、運輸支局には専用の相談窓口を設置。運送企業からの相談を基に、適切な運賃・料金交渉が行われているかの情報を収集し、問題のある事案には適切な対応を行うための準備をしていた。