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22/03/07
国交省、自賠責の賦課金見直し
交通事故で重い障害を負った人の支援を充実させるため、国土交通省は自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の一部で徴収する賦課金を増額する。現在、有限の積立金で行っている被害者支援や事故防止を恒久的に実施できるようにする。今国会で関連法の改正案を成立させ、2023年度の制度開始を目指す。
国交省は自動車事故対策事業で、①保障事業②被害者支援③事故防止――の3つを展開している。このうち、ひき逃げに遭った被害者の損害補てんなどを行う保障事業は、自賠責保険の賦課金を財源に恒久化している。
一方、療護施設の運営や介護料支援などの被害者支援、先進安全自動車の導入支援といった事故防止は、約20年前まで行っていた自賠責保険の政府再保険制度の運用益が財源。積立金の残高は1500億円ほどで、今後20年ほどでなくなることが指摘されていた。
150円超えないよう調整
このため、政府が2月25日に閣議決定した改正案では自賠責保険の賦課金を増額し、被害者支援と事故防止を恒久化できるようにする。積載重量が2トン超の営業用普通貨物自動車の場合、現在は年45円の賦課金を徴収している。国交省は今後、賦課金の具体的な金額を検討する方針で、上限150円を超えない範囲で引き上げる。
事業の恒久化により、国交省が重視するのが被害者支援だ。事故により若い時期に重い障害を負う人もおり、リハビリ機会や介護料をはじめ、支援のさらなる充実が不可欠だった。秡川直也自動車局長は2月の会見で「支援内容の充実と、支援の裏打ちとなる安定した財源確保が被害者の切実な訴え」とし、事故対策事業を持続的に実施できる仕組みづくりに強い意欲を示した。