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22/03/03

【緊急アンケート】物流各社、「燃料高騰に追加対策を」

 燃料価格の高止まりを受け、物流各社が国や業界団体に対策を求めている。経済産業省は1月下旬から、石油元請けに補助金を支給する価格抑制策を開始したが、効果を実感する企業は少ないのが現状だ。経営に深刻な打撃を与える中、高騰分の補助に加え、軽油引取税の暫定税率見直し、燃料サーチャージの義務化の要望が強まっている。
 燃料価格高騰では、1月27日以降、価格抑制策を講じられている。ガソリンの全国平均小売価格がリッター170円を超えた分に対し、最大5円を上限に石油元売りに補助金を支給する措置で、経産省は対策を通じて価格抑制を図っている。

元売り補助金仕組みに疑問

 一方、輸送経済が物流各社に価格抑制策の効果を尋ねたところ、52・2%が「あまり効果を感じない」と答えた。「効果を感じない」を合わせると、全体の82・6%に達した。
 回答企業も現在の対策は「小売価格を値下げしたり、全国一律価格にするものではない」と理解する半面、「燃料価格上昇に歯止めがかかっていない」ことや「販売会社の価格で変化が見られない」ことが効果を実感できない背景にある。
 他にも、対策の仕組みについて「石油元請けから販売元までの間で補助金が吸収され、ユーザーに届いていないように感じる」、「実態として補助金の効果が物流各社まで回っていない」といった意見も複数聞かれた。

税制、補助金など要望多様

 燃料価格高騰の影響を軽減するため、国や業界団体に求める要望で多かった一つが軽油引取税の暫定税率の廃止・見直しで、トリガー条項の凍結解除を求める企業が目立った。「燃料関連諸税に消費税が課税される二重課税という不可解な仕組みの解消」が必要とする意見も聞かれた。
 また企業への補助を求める声も多く、「燃料価格高騰は死活問題。激変緩和措置の継続、増額が難しいなら、有料道路通行料の値引きといった助成措置が必要」、「雇用者の賃上げに補助金を出すのと同様に、運賃や物流コスト値上げに応じた企業に一定条件の下、政府が補助する制度を導入すれば、運賃相場の底上げにつながる」などの意見が上がった。
 この他、「船舶や航空と異なり陸運では導入が進んでいない」とし、燃料サーチャージの法的な義務化や、国や地方公共団体による基準、単価表の設定を求める企業も。「物流の現場を荷主業界にもっとPRしてほしい」、「標準的な運賃の認知度向上が必要」、「価格安定も重要だが、供給不足にならないよう万全な備蓄と配送網の確保・整備を求める」とする意見も上がった。

※詳細は『輸送経済』3月1日号に掲載。購読の申し込みはhttps://sa746767.sixcore.jp/