• 統計・データ

22/02/17

低温物流、20年度の市場規模は1・7%減の1兆7500億円に縮小

 矢野経済研究所によると、2020年度の低温物流市場規模は前年度比1・7%減の1兆7500億円だった。コロナ禍で飲食店向けの業務用冷凍食品の需要が減り、19年度まで好調に推移してきた市場規模が縮小した=グラフ。コロナ禍の外出自粛のほか、インバウンド需要の減少が影響した。「巣ごもり」で家庭用冷凍食品の需要は増加したが、業務用冷凍食品の減少分をカバーできなかった。
 ただし、今後、食品通販の利用率上昇などで市場が拡大すると分析。輸送効率化の物流費削減が響く恐れはあるが、21年度は前年度比0・6%増の1兆7600億円、22年度は同0・6%増の1兆7700億円、23年度は同1・7%増の1兆8000億円超の市場規模を予測している。
 低温物流業界では中継輸送やモーダルシフトへの転換が進んでおり、「地域の輸配送機能を確保するために、大手・中堅低温物流事業者が地域の低温物流事業者を買収する事例も目立ってきた」(矢野経済研究所)。今後はドライバー不足を背景としたM&Aがさらに増えると見ている。
 同調査は21年9月~12月、低温物流に関わる物流・卸売企業・メーカー、管轄省庁などを対象に実施。同研究所の専門研究員がオンラインを含む直接面談のほか電話によるヒアリングおよび文献調査を併用し、販売高ベースで算出・分析した。