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22/02/09

名古屋鉄道、名鉄運輸のTOBを実施

 名古屋鉄道(本社・名古屋市、高崎裕樹社長)は2月8日、名鉄運輸(同・同、内田亙社長)の株式のTOB(公開買い付け)を開始した。グループで物流事業を手掛ける名鉄運輸との連携を強化することで、太平洋フェリーの貨物部門や名鉄観光サービスの国際貨物事業とのシナジー(相乗)効果を発揮し、グループの成長につなげる。TOBが成立した場合は名鉄運輸は上場を廃止し、株主は名古屋鉄道と日本通運の2社となる。
 名古屋鉄道が主力とする鉄道やバス、タクシーなどの運輸事業の経営環境が厳しい中、名鉄運輸の貨物運送事業を成長させ、グループの経営多角化を図る。名鉄運輸にとっては、物流施設開発や太平洋フェリーや名鉄観光サービスの国際貨物事業とのシナジー(相乗)効果発揮が期待できる。また、グループの人材共有による区域・3PLへの機動的な人材配置やDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の強化も進める。
 また名鉄運輸の株式の20・08%を保有する日本通運は、今後も株主として残る。今後、全国での共同輸配送の実施や、さらなるシナジー(相乗)効果の発揮など、さらに踏み込んだ関係強化を進める。
 TOBは30営業日の間実施され、成立すれば名鉄運輸は名証二部での上場を廃止する。TOBの提案は、名古屋鉄道からされ、名鉄運輸は賛意を表明している。