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22/01/28

ヤマトHD、24年4月から宅急便の長距離輸送で貨物専用機を運航

 

フレイター(イメージ)

 ヤマトホールディングス(本社・東京、長尾裕社長)は2024年4月から、宅急便の長距離輸送で貨物専用機を運航する。「物流の2024年問題」で長距離トラックの労働力不足が懸念される中、安定的な輸送力を確保する。同時に、輸送手段の拡大および輸送スピードの向上で、輸送ネットワーク全体の効率化を目指す。
 羽田・成田空港と新千歳・北九州・那覇空港間に就航。これまで長距離輸送で活用されてきたトラック、鉄道、フェリー、旅客機の床下貨物スペースに加え、新たな輸送手段として首都圏から北海道、九州、沖縄地域を結ぶ。ヤマトグループが機体を導入し、JALグループのジェットスター・ジャパンが運航を担う。
 導入機種はエアバスA321ceoP2F型機の3機で、中古の旅客機を貨物専用機に改修する。最大搭載重量は1機あたり28トンで、10トン車の約5~6台分に相当する。搭載コンテナは客室だったメインデッキ用のAAYコンテナが14台、貨物室用のAKHコンテナが10台。
24年4月の法改正で自動車運転業務の年間残業時間が上限960時間になる影響で、トラックドライバー不足の加速が懸念されている。ヤマトHDはフレイター運航で24年問題に対応するほか、近年全国で発生している自然災害による物流網寸断リスクへの備えを強化する。