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22/01/24

低温物流の日本規格、アセアン2カ国で行動計画で骨子案

 国土交通省は、日系物流企業の進出拡大と現地物流企業の品質向上へ、BtoB低温物流の品質管理に関する日本規格「JSA―S1004」のアセアン各国での普及を目指している。取り組みの一環で、インドネシアとタイで荷主や現地政府との連携を推進するためのアクションプラン(行動計画)の骨子案を昨年12月22日、示した。
 同規格は適切な温度・衛生管理やセキュリティーについて定めたもの。日本の高品質な物流をアジアでも展開するため、日本規格協会が昨年7月に発行した。
 国交省は日系物流企業が進出し、一定の市場が見込めるインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアで重点的に普及を図るとして順次、行動計画を策定中。昨年度はマレーシアを対象に策定した。今年度は冷蔵庫があまり普及せず高度な低温物流ニーズが見込めるインドネシアと、低温物流が普及し、独自に策定した物流規格導入に積極的なタイが対象。

重要性や品質向上をPRへ
 骨子案にはこれまで連携が不十分だった荷主や政府に焦点を当て、同規格の荷主への周知、現地政府などによる物流企業の認証取得促進を盛り込んだ。例えば、漁業と農業が盛んなインドネシアでは、生産者に対する低温物流の重要性を現地の推進団体と共にPRする。
 加工食品の輸出が主力のタイでは、メーカーに規格を通じた物流品質向上の効果を周知する。一方で、タイは既に輸送では国交省の指針を基にした独自の安全規格を策定済み。倉庫保管への運用拡大も見込めるため、倉庫を管轄する商務省に対し、倉庫事業向けの安全規格の策定を日本側から提案する。