• 統計・データ

22/01/21

JILS・物流コスト調査、21年度は過去20年で最高の5・7%

 日本ロジスティクスシステム協会(=JILS、遠藤信博会長)によると、2021年度の荷主企業の売上高物流コスト比率は全業種平均で前年度比0・32ポイント増の5・7%だった=グラフ。過去20年間の調査で最高の数値。

 14年ぶりに5%超を記録した20年度調査に続き、売上高物流コストの上昇傾向が継続。「近年続いている労働力不足などによるトラック運賃の値上げや荷役費の値上げなどが背景」(JILS)。
業種大分類別にみると、製造業・小売業・その他の売上高物流コスト比率が増加した一方、卸売業では減少した=表。また、2年連続回答企業162社の売上高物流コスト比率(全業種平均)は同0・07ポイント上昇の5・61%だった。

 値上げ要請を受けた荷主は、同16・1ポイント減の66・9%。コストの大半を占める「輸送費」の値上げ要請はやや落ち着いたが、「荷役費」「保管費」の値上げ要請は前年度と同水準が続く。値上げ要請を受けた荷主のうち応じたのは、同9・1ポイント減の86・7%だった。
今回の調査では売上高・物流量ともに減少傾向となったが、21年度は売上高が回復基調となり、物流量と物流コストは増加する見通し。物流単価は「コロナ禍を通し、19年度から一貫して増加傾向になる」(JILS)。
 同調査は21年7月~12月、荷主企業に対して行ったアンケートを基に、回答企業の売上高物流コスト比率の平均値などをまとめた。20年度の実測値のほか、21年度の見通しを含めて速報値として分析した。
 今回の調査で回答した荷主企業195社の売上高総額は80兆4466億円、物流コスト総額は2兆6653億円だった。今回の調査期間は新型コロナウイルスの流行拡大期とも重なるため、JILSは今後、コロナ禍による物流コストの影響についても分析を進める。