• 統計・データ

22/01/14

21年のトラック倒産、前年比4・9%増の169件

 東京商工リサーチによると、昨年のトラック運送業の倒産は前年比4・9%増の169件だった。微増したが、国などの新型コロナウイルスの資金繰り支援策が奏功。過去20年間のうち、2020年に次ぐ低水準の倒産件数となった=グラフ。ただ、新型コロナウイルス関連の倒産は前年比30ポイント増の41件で、「息切れも目立ち始めた」と分析している。
 2021年1月~12月の道路貨物運送業の倒産件数(負債額1000万円以上)をまとめた。負債総額は前年比37%減の176億2700万円で、4年ぶりに前年を下回った。倒産企業のうち、従業員5人未満の小・零細企業は前年比3・3%増の93件で、全体の55%。また、負債1000万円以上5000万円未満が前年比11・.2%増の79件で、全体の46・7%を占める。負債10億円以上は1件のみで、負債の平均額は小型化した。
 「人手不足」型の倒産は前年比2ポイント減の16件。「後継者難」型は同2ポイント増の10件、「求人難」型が同1ポイント増の5件だったが、「従業員退職」型は同2ポイント減の1件、「人件費高騰」型は同3ポイント減でゼロとなり、人手不足感はやや抑制された状況が続く。
 月別では、1月の8件を底に徐々に増加し、6月と12月は20件発生した。地区別では北陸が前年比60%増の8件、 関東が同44%増の72件、近畿が同30・5%増の47件だった。
 運送・物流業界では24年4月から、自動車運転業務の時間外労働時間の上限規制が始まる。燃料価格の高止まり、人件費上昇などのコスト負担も増えるなか、経営体力の弱体化や経営者の意欲減退なども顕在化。東京商工リサーチは「22年も倒産の増勢が続く可能性が出てきた」とみている。