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21/12/29

荷主企業5社と鈴与、業界を越えた共同輸送を実施

 鈴与(本社・静岡市、鈴木健一郎社長)は、荷主企業5社と共同で関西―関東間に点在する各社の拠点間輸送を、中継輸送を使い共同化した。2024年のドライバーへの労働時間規制実施後も安定的な輸送力を確保するとともに、環境負荷低減にも貢献、グリーン物流パートナーシップ会議の国土交通省公共交通・物流政策審議官表彰も受賞した。
 サッポログループ物流、中部抵抗器、ミツカンロジスティクス、三菱電機ロジスティクス、プラスチック製品製造メーカーの5社の荷物を中継し、スワップボディー車を使い輸送する。
 鈴与の静岡、小牧(愛知県)の車庫を中継拠点として活用。鈴与の小牧車庫で、静岡県小山町のサッポロの拠点から来た荷台を積んだトラックが出発。大阪市のサッポロの拠点で荷降ろしし、ミツカンの大阪府枚方市の拠点に移動。新たに荷物を積み込み、小牧車庫と同一敷地にあるミツカンの降ろし地まで運行する。
 小牧車庫では、小山町から来たスワップボディー車に、愛知県稲沢市から小牧車庫に横持ちした中部抵抗器の荷物を積載。静岡市にある中部抵抗器の拠点まで輸送する。その後同一敷地にある三菱電機の拠点で荷物を積み込み、鈴与の静岡車庫に移動。三菱電機の荷物を積んだ荷台は、別の車が千葉県野田市の三菱電機の拠点まで輸送。静岡から来た車は、小山町のサッポロの拠点から来た荷物を積んだ荷台を小牧まで輸送する。
 千葉県への運行車は、三菱電機の拠点で荷降ろし後、千葉県松戸市にあるプラ製造メーカーの拠点で荷物を積み込み、静岡県御殿場市の同メーカーの拠点に荷降ろし。静岡県小山町のサッポロの拠点で荷物を積み込み、静岡車庫で荷台を切り離し、三菱電機の荷物を積んだ荷台を接続する。
 従来バラバラに、運送した荷物を共同化することで、運行時の実車率は93・6%に向上。車両台数は増トン車換算で年間500台、二酸化炭素は年間約158トン削減する。
 実現に当たっては、リアルタイムに運行状況を確認できる鈴与のシステムや、サッポログループのAIを活用した需給予測システムも使用。貨物量の標準化を行い、毎日の定期運行を成し遂げた。

共同輸送実施後の動き