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21/12/28

国交省自動車局・22年度予算案、電動車普及に手厚く支援

 国土交通省自動車局の2022年度予算案がまとまった。12月20日に成立した21年度補正予算と連動させた「16カ月予算」を編成し、一般会計の総額は21年度比65%増の31億800万円となる。脱炭素化実現のため、環境関連予算を手厚くしたのが特徴で、次世代自動車や電動車の補助には全体の4割強を充てる。
 来年度は、自動車の電動化を推進する予算を手厚く計上したことがポイント。21年度補正予算と22年度予算案のそれぞれで、トラック、バス、タクシーへの補助事業を用意し、ユーザーに使い勝手の良い支援メニューをつくることで、脱炭素化を促していく。
 21年度補正では10億4200万円を充て、電動車の導入を支援する。トラックはEV(電気自動車)、HV(ハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)が対象。車種ごとに補助率を設定するとともに、充電設備と合わせて導入する場合は費用の半額を補助する。
 これに対し、22年度予算案の補助事業は前年度比17%減の3億9200万円を計上し、次世代自動車が対象となる。補助率は21年度補正と同じで、FCVの代わりにCNG(圧縮天然ガス)車を対象に加える。トラックの二酸化炭素削減に向けては、環境省のエネルギー特別会計を使った補助事業も続け、低炭素型車両を集中的に導入できる環境を整える。
 またトラックの電動化は走行距離、バッテリー搭載による積載量などの制約があることから、新規予算として2200万円を充て、EVなどを輸送でどう活用するかの検討も行う。発地から着地までの輸送ルートを切り分け、短距離をリレーする仕組みなど、電動車の導入可能性を検証する。
 環境関連ではこの他、産学官で大型車の電動化技術、高効率な内燃機関などの開発を進めるため、22年度予算案に3億7800万円(前年度比33%増)を計上。国際的な議論ができる客観的な二酸化炭素排出評価手法の構築や、電動車バッテリーの技術基準で、日本が世界をリードするために必要な調査費用も計上し、自動車メーカーの競争力強化につなげる。
 電動車の普及に伴い、対応できる自動車整備士の人材育成が不可欠なことから、養成施設での教育を高度化するための調査費として、新たに4100万円を計上。電動車の整備に対応した設備や教材の効果を検証したり、VR(仮想現実)などのデジタル技術で高電圧部分の整備をはじめ危険作業を疑似体験できる教育の実験を行っていく。

※2021年度補正予算を含む