- 行政・業界団体
21/12/21
首都高、来春に上限料金を引き上げ都心部通貨車を抑制
首都高速道路は来年4月1日から、利用料の上限料金を引き上げる。大型車の場合、上限2080円としている料金体系を、3110円とする。物流については、高速料金の値上げが運送企業の経営の負担にならないよう、大口多頻度割引制度の車両単位の基本割引率を見直すとともに、中央環状線内側を走行しない車は利用分を拡充し、最大割引率を現行の35%から45%に変更する。
上限料金の引き上げは国土交通省の国土幹線道路部会が2月に提示した骨子案を踏まえた措置。利用料の見直しにより、都心部を通過する車の数を抑制し、慢性的な渋滞を解消する狙いがある。
首都圏の高速道路は建設費などの違いから料金体系がバラバラだったことから、国交省は2016年に水準を統一した。一方で、首都高を一定距離以上走行する場合は激変緩和措置として、距離に関係なく上限料金が適用されることから、周辺の高速道路より割安となり、交通量をどう抑えるかが課題だった。
大口多頻度拡充で負担減へ
来年4月からは大型車の場合、35・7キロメートル超で2080円としている上限料金を、55キロメートル超で3110円とする。中型車は1410円が2310円に、特大車は2650円が5080円に引き上げる。ETC搭載車は従来通り、距離に応じて料金が変動し、現金車は一律の料金を払う仕組みとなる。
また運送企業の負担に配慮するため、料金体系の見直しに合わせ、大口多頻度割引制度の内容も見直す。具体的には、契約した車の月の利用額に応じて割引率を決める「車両単位割引」の基本割引率を、現行の20%から25%に拡充する。さらに中央環状線の内側を通貨しない利用分は、現行の5%から10%に引き上げ、大口多頻度全体の最大割引率を35%から45%にする。
この他、来年4月からは深夜割引も導入し、午前0~4時の間に、首都高の入り口を通過するETC搭載車に限り、20%の割引を適用する。