- 行政・業界団体
21/11/09
経産省・国交省、見える化・規格化に向け工程表の案を提示
経済産業省と国土交通省は2日に開催した検討会で、2040年までの構築を目指す「フィジカルインターネット」について、ロードマップ(工程表)に盛り込む取り組み項目・目標像の案=表=を提示した。
フィジカルインターネットは、IоTやAIを活用し、トラック・倉庫の空き情報の見える化、パレットの規格化を行うことで、共同物流につなげようとするもの。
提示された取り組み項目の案は、①物流・商流のデータを共有するプラットフォーム(基盤)構築②コンテナやパレットの規格を定める標準化、共同化に向けた企業間連携③BtoBtoCのサプライチェーンマネジメント(供給網管理)構築を目指す企業内連携④物流拠点での自動化・機械化⑤ドローンや小型配送ロボットといった輸送機器の連携――。
目標像の案は、①効率性②強じん性③良質な雇用確保④ユニバーサル・サービス化――。
具体的には、効率性ではトラック・倉庫の最大限活用、食品ロスゼロ、消費地生産の拡大を盛り込んだ。強じん性では生産・保管・輸送での拠点・手段の多様な選択、企業・地域間の協力・連携、迅速な情報収集・共有を、良質な雇用確保では適正な労働環境や、物流関連機器・サービスを活用した新産業創造・効率化、付加価値を提案できる人材の雇用創出を、誰もが公平に使えるユニバーサル・サービス化では買い物弱者や地域間格差の解消を盛り込んだ。
委員からは、輸送需要に差がある過疎地・都会での取り組み項目、物流を共同化できる業界の分類に対する要望があり、今後検討する。
スーパーの作業部会開始へ
業界別の議論も行うため、経産省は11月に、スーパー・ドラッグストアの作業部会(WG)を立ち上げる。
作業部会では、消費財サプライチェーンでのフィジカルインターネット実現へ、30年までに業界で行うべき取り組みを、アクションプラン(行動計画)としてまとめる。食品・日用品メーカーや卸、スーパー、ドラッグストアが参加。今後、3回程度の会合を実施し、来年3月末までに行動計画を策定する。