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21/11/02

国交省、おむつ・生理用品でパレット化へ調査・実験

 紙おむつ、生理用品の輸送効率化に向け、国土交通省は10月27日、有識者研究会を立ち上げた。工場から小売りと卸のセンターそれぞれで、パレットを使った最適な輸送方法を検討する。T11型パレットの活用を想定した外装サイズの標準化などに関し、メーカー、卸、物流企業への調査や実験を通じて各品目で最適なパレットサイズを算出する。
 研究会の立ち上げは、トラックドライバーの労働条件を改善する取り組みの一環。紙おむつ、生理用品は一部メーカー以外、ほとんどパレット化ができておらず、手積み手降ろしによる荷役作業が常態化し、生産性の低さが課題だった。
 課題解消に向け、昨年度、栃木地方協議会が紙おむつ、生理用品をT11型パレットで輸送する実験では、作業時間が大幅に短縮できた半面、積載率が30%低下。現状の外装や商品サイズのままでパレット化は難しく、国交省はメーカー、卸、物流企業で協議する場が必要と判断した。
 研究会では、①工場から小売りのセンター②工場から卸のセンター――の2つに分け、パレットを使った最適な輸送方法を検討する。このうち、工場から小売りセンターの輸送では、メーカーが外装サイズを変えてT11型パレットを活用することを前提に議論する。研究会の参加企業に加え、衛生用品の扱いが多い50社程度のドラッグストアに調査を実施し、外装サイズ標準化の現状や、メーカーの商品サイズ均一化の取り組み、ドラッグストアの店舗業務での課題などを調べる。
 工場から卸の輸送につては、メーカーが外装を変えないことを前提に、各品目での最適なパレットサイズを検討する。まずは研究会の参加企業に、パレットの運用状況やコストの影響などを確認すると同時に、パレット化する品目の絞り方、荷姿を統一して効率を高めるユニットロードへの考え方を調査する。

メーカーなどから情報収集

 またメーカーから、品目別の外装や商品パッケージのサイズ、商品入り数の他、1カ月間の品目別・出荷工場や倉庫別の総出荷物量を、物流企業から積み降ろしした箱数や品目数、発着地での待機時間などの情報を提供してもらい、検討の材料とする。次回の会合で、調査結果を基にパレット化する品目、最適なサイズを算出した上で、実証実験で効果を検証する。
 国交省は年度内に、紙おむつ、生理用品といった紙製衛生用品のパレット化を推進するため、アクションプラン(行動計画)を策定。2024年4月から適用される残業時間の上限規制適用を前に、官民連携で課題に取り組んでいく考え。