• 行政・業界団体

21/10/19

経産省、ロボ促進で検討会設置

 倉庫でロボットを導入しやすい環境の構築に向け、経済産業省は9月30日、有識者検討会を立ち上げた。WMSとロボットやマテハンが別々のシステムで動いているケースがあり、連携させるためには、技術的にどんな仕組みが必要になるかなどのガイドライン(指針)を策定する。自動化・機械化に不可欠な荷姿の標準化も、技術的な視点から在り方を示す。
 検討会は日立物流、鴻池運輸、アスクル、MUJINをはじめ、物流企業や荷主、メーカー11社で構成。座長は物流ソフトウエアのフレームワークスが務める。
 人手不足が深刻化する物流業界では、自動化・機械化に取り組む動きが広がる。一方、同じ倉庫でWMSやロボット、マテハンを使っていても、システムがバラバラで連携できていないことが課題となっている。

 初会合では、物流でロボット導入が難しい原因が議題となり、委員から連携させる際の通信・データ交換方法が統一化されていないことが指摘された。荷姿についても、外装が異なるとロボットがうまくつかめず、箱に合わせてプログラムを変えなければいけないといった課題も挙がった。
 検討会では来年度末までにWMSとロボット、マテハンを連携させるに当たり、どんな通信・データ交換方法で行えばいいかなどの仕組みをまとめたガイドラインを策定し、物流でのロボット普及につなげる。毎月会合を開き、まずは年度内に通信・データ交換方法、荷姿の仕様について一定の結論を出す。

小型配送ロボで基準を検討

 また経産省は、時速6キロメートル以下で走行する低速・小型自動配送ロボットを活用した配送実現を目指す官民協議会に、ワーキンググループを増設し、ロボット、運用、配送品質などの基準を検討している。道路交通法で詳細に触れない部分を、産業界の団体に基準として策定してもらう。

 会合では配送実験を行う物流企業、小売り、ロボットメーカーから51項目の論点が挙がり、ロボットでは走行・緊急時の動作、安全要件、条件・環境に応じた性能など、運用では整備・点検、保険、事故・緊急車両走行時の対応、遠隔監視・操作資格などが含まれる。
 他に、配送品質や荷物受け取り時の確認基準、機体認証、事故発生時の責任の割合などが挙がった。