日本発のＩＳＯ規格、定温物流網構築へ英・独も関心強める

　国土交通省や経済産業省を中心に、日本主導で推進してきたコールドチェーンのＩＳＯ（国際標準化機構）規格に英国、ドイツを含む国々でも関心が高まっている。
　日本主導で策定した国際規格「ＩＳＯ２３４１２」は、小口保冷荷物の車両への積み込み、国境間での積み替え、倉庫での保管、仕分け、輸配送、車両や倉庫内での温度管理方法、衛生管理、トラックドライバーや庫内作業員への教育などの注意事項を定めたもの。
　国交省、ＩＳＯを担当する経産省が連携して推進してきた東アジア、アセアン以外にも関心を持つ国が出てきた。
　９月時点で、ＩＳＯ２３４１２の周知について議論する技術委員会に参加する国はオブザーバーを含め30カ国。アイルランド、イタリア、英国、ドイツ、モーリシャス、ウガンダなどが含まれる。国交省も「コールドチェーンへの関心が高まってきた証拠」とする。
　現在、技術委員会の下に立ち上げた部会で、コールドチェーンの各国の課題、参加国で連携した国際規格の周知方法、業務に関連する用語集作成について議論している。
　他国でもコールドチェーンに関する新たな国際規格策定に関心が出ている。中国からは新型コロナウイルスの影響を踏まえた非接触の運用、韓国からは保冷コンテナや断熱容器の低温品保冷性能を評価するための試験方法の国際規格を求める声が出ている。今後、検討していく。