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21/09/21

資生堂、茨木市に635億円を投じ新サプライチェーン拠点を整備

 

資生堂の新サプライチェーンの拠点(外観)

 

 資生堂(本社・東京、魚谷雅彦社長兼CEO)は9月、大阪府茨木市に総額635億円を投じて、高級スキンケア製品の生産・物流・商品開発・見学の4機能を集約したサプライチェーン(供給網)の拠点を整備した。工場と物流拠点を一体化し、生産から輸送にかかる作業効率を上げるなどサステナビリティ(持続性)を意識した生産供給体制を整えた。
 所在地は大阪府茨木市彩都もえぎ1ノ4ノ1。敷地面積は7万2435平方メートル。鉄骨造7階建てで、2020年12月に、「大阪茨木工場」、21年3月に「西日本物流センター」を稼働。このほど、施設全体がフル稼働した。同社が工場に物流センターを併設するのは初。
 今回の拠点整備では、先行稼働している生産と物流機能に加え、顧客からの相談・要望を商品開発に生かす取り組みを管轄するコンシューマーセンターの分室設置や一般向けの工場見学施設「迎接棟」の整備も加え、消費者の声を製品開発に生かす。
 「西日本物流センター」には、国内最大規模の商品保管自動倉庫を導入。隣接する大阪茨木工場で生産された商品の入庫を自動化し、作業効率化を図る。工場、物流センター、商品センターの機能集約により、効率的なサプライチェーンの構築も可能に。市場への商品供給リードタイムの短縮と輸送コストの削減もできるようになった。
 さらに、同センターの4階と3階には、同社独自の機能を追加した次世代型マルチシャトルに製函と封函の自動化機器を加え、商品のピッキングからこん包、荷札のラベリングまでを同時に行う歩行レス出荷システムを採用。荷積みや荷降ろしも自動化するなど、徹底的な省人化を実現した。