- 統計・データ
21/09/03
物流システム機器、20年度の売上高は3年連続で5000億円超
日本ロジスティクスシステム協会(=JILS)によると、2020年度、自動倉庫、垂直搬送機などの物流システム機器の売上高は前年度比0・8%減の5714億300万円。横ばい傾向ながら、3年連続で5000億円超の高水準を維持した=グラフ。売り上げ件数は同5・5%増の13万8262件だった。
機種別の売上動向は、自動倉庫が同13・5%増の1364億3700万円。台車は同1・0%増の1310億8800万円。コンベヤー系は同1・2%増の1356億1200万円だった。
仕分け・ピッキング機器は大きく減少し、同34・3%減の253億2700万円。このうち過半数を占める仕分け機は同40・6%減の188億4000万円、販売台数も同20・4%減の3067台だった。
回転棚・移動棚も同19・8%減の177億7900万円。売り上げの8割以上が移動棚で、電動式が同14・4%減の105億2700万円、官庁・図書館向けが4割を占める手動式は同29・0%減の46億8000万円。回転棚では、垂直式は同9・7%増の10億1000万円だったのに対し、水平式は同33・8%減の15億6200万円だった。また、棚のうち、卸・小売、官庁・図書館向けが多い流動棚は同51・4%減の5億3900万円だった。
「食品・医薬等」「その他製造」の2業種で売り上げの大半を占めるパレタイザ・デパレタイザは同6・0%減の141億5200万円。販売台数も同10・4%減の1054台だった。
垂直搬送機は、全体では同1・2%減の129億4500万円。このうち、倉庫・運輸向けが4割を占めるパレット搬送用は同10・6%増の102億5000万円。一方、「卸・小売」「その他製造」向けが5割超のケース・ピース搬送用は同29・7%減の26億9500万円だった。
JILSは「今後、物流現場の省力化・自動化を実現する物流システム機器の重要性はさらに増していく。さらなる技術革新と標準化を推進し、安全で負荷の少ない物流システム機器を提供することが重要」と分析。また、東京オリンピック・パラリンピック後の景気変動への対応、ロジスティクス・物流の労働力不足の課題などに触れ「新型コロナ禍における我が国の経済状況と景気の推移が本調査に与える影響については、注視する必要がある」とした。