- 行政・業界団体
21/08/12
標準的な運賃、届け出率の差が顕在化
標準的な運賃に関し、地域間で届け出率の差が顕在化している。地方では全国平均を上回る半面、大都市圏では伸び悩む状況が続く。特に企業数の多い都府県は1桁台で推移している=表。
国土交通省によると、6月末までに標準的な運賃の届け出を行った企業は1万3443社で、全国平均の届け出率は23・6%だった。運輸局別では、四国が最も高く72・1%。中国48・7%、北海道43・2%、九州42・2%と続いた。
これに対し、関東、中部、近畿の大都市圏では全国平均を下回った。特に企業数の多い地域で伸び悩み、神奈川は2・6%、兵庫は2・8%にとどまった。東京は8・8%、大阪は7・9%で、それ以外にも1桁台で推移する地域があった。
標準的な運賃の普及に向け、業界では地方トラック協会を中心に会員企業への促進活動を展開。全日本トラック協会もパンフレットや運賃変更届の様式集を作成するなどの支援を進めている。
業界の取り組みについて、国交省の秡川直也自動車局長は7月30日の会見で「(全ト協の)坂本(克己)会長の号令で各地方ト協会長の意識も高まっている」と言及。一方で、「スピード感も大事だが、地道に取り組むことも必要」とし、届け出率だけでなく、標準的な運賃の考え方を基に自社の経営を分析し、荷主との交渉を進めることも不可欠との見解を繰り返し強調した。