- 行政・業界団体
21/08/03
グリーン成長戦略、商用車の電動化目標決定
2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする政府目標に向け、今後の商用車の方針がまとまった。まずは2030年までに販売される車両総重量8トン以下の新車の20~30%を電動車に切り替える。一方、実現には車両価格の低減やインフラ整備など課題が山積している。メーカーも開発を続けている状況で、普及には早期に道筋を付ける必要がありそうだ。
商用車の脱炭素化は、6月に策定した新たなグリーン成長戦略に盛り込まれた。14の重点分野のうち、自動車では乗用車の新車を2030年代半ばまでに全て電動車とする目標を定めていた。焦点だったのがトラックを含む商用車で、国は3月から、業界団体などに聞き取りを行い、具体的な目標を検討してきた。
商用車では国内で販売される総重量8トン以下の車の20~30%を電動車にすることが当面の目標となる。国が想定する電動車はEV(電気自動車)、HV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)のの4種類で、NGV(天然ガス自動車)は含まない。
合成燃料含め脱炭素化加速
40年にはさらに目標を高め、電動車に加え、二酸化炭素と水素を合成した液体燃料「イーフューエル」で走行する車と合わせ、総重量8㌧以下の全車を脱炭素化する。大型車は技術開発や実用化の状況を踏まえ、20年代に5000台の先行導入を目指す。その後は30年までに40年の普及目標を設定する計画だ。
一方、現在もディーゼル車が大半を占めるトラックの電動化はこれからという状態だ。トラック4メーカーのうち、具体的な方針を打ち出しているのが三菱ふそうトラック・バスで、39年までに国内の全新車をEVやFCVにする計画。小型EVトラックは17年に発売済みで、FCVも20年代末までに量産モデルを投入する。
それ以外のメーカーはいずれも今後の計画を検討中の段階で、例えば、いすゞ自動車は22年度に小型EVトラック
を発売。大型ではホンダとFCVの共同研究に取り組んでいるが、「PHVやイーフューエル対応車も含め、全体的に考えていく」とする。