- 物流企業
21/07/27
東北三八五流通、基幹の仙台ロジC増強
三八五流通グループ(泉山元会長)の東北三八五流通(本社・仙台市市、工藤勝正社長)はこのほど、基幹拠点の仙台ロジスティクスセンター(宮城県大衡村)内で3棟目の倉庫を本格稼働した。新規取引を開始した米菓メーカーを含む顧客のさらなる物流効率化を図る拠点として建設。昨年11月に既存顧客とのマッチングで始めた菓子共同配送の強化にも拍車を掛ける。
所在地は大衡村大衡座府75ノ5。拡幅工事が進む国道4号沿いで、東北自動車道とのアクセスに優れる。2011年の東日本大震災3日後に業務が再開できた強固な地盤も利点。増設した倉庫は鉄骨造2階建て、延べ床面積約3000平方メートル。天井高は最大7メートル、耐荷重は2トンを確保した。総工費約5億円。大和ハウス工業が施工した。
昨年11月に取引を開始した米菓メーカーの商品保管ニーズ拡大に対応し、さらなる効率化を図り増設を決断。「物流効率化の支援を通じ、顧客が安心して売り上げを拡大できる」(泉山グループ会長)受け皿を設けた。同センターの既存顧客である製菓大手と、米菓メーカーの商品配送先がほぼ重なることから、東北三八五流通が共同配送を提案。既に宮城を中心とした東北向けの共配を手掛けている。
増設した庫内には貨物エレベーター、垂直搬送機を各1基設け、8台のフォークリフトを導入。ラックを活用し、パレットの3段積みが可能だ。壁面は断熱材を採用し、温度管理を要する商品にも対応可能な環境を整備。製菓大手の商品を保管する隣接倉庫との間には、天候に関係なく屋外でも効率的な荷さばきができるように庇(ひさし)も設けた。
共配は車両集約によるコスト削減、環境負荷低減につながる。輪を広げるべく、「さらに1~2社参画してもらえるよう営業活動を展開している」(工藤社長)。福島を除く東北5県向けの米菓メーカーの商品配送は、メーカーによる着荷主への働き掛けで、大方が受注翌々日。24年からのドライバー残業規制強化を見据え、翌々日配送をベースに、さらなるコスト削減によるメリットを示しつつ、共配の輪を広げていく考えだ。
同センターは菓子の保管・配送の他、飲料大手向け業務、スーパー、ドラッグストア向け日用品配送も展開。増設で合計延床面積は約1万6900平方メートルに拡充した。
15日のしゅん工式で、泉山グループ会長は「大衡村の主導で開発されたこの地に拠点を構える決断をしたのは約30年前。無事故、予定通りの工期で立派に完成した」とあいさつ。萩原達雄大衡村長も来賓で出席し、「コロナ禍が続く中の明るい話題。今回のしゅん工を機に三八五流通グループが村から一層の事業展開を図り、発展することを祈る」と歓迎した。