• 統計・データ

21/07/09

21年上半期・道路貨物運送業倒産件数、前年同期比8・7%増

 東京商工リサーチによると2021年1~6月、道路貨物運送業の倒産は、前年同期比8・7%増の87件だった。上半期としては2年ぶりに前年同期を上回ったものの、過去20年で最少だった2020年の80件、18年の82件に次ぐ3番目の低水準だった=表。

 負債総額は、前年同期比5・0%減の96億9400万円で、上半期としては3年ぶりに100億円を下回った。過去20年で18年の77億5600万円に次いで2番目の低水準。負債1億円未満の倒産が約7割を占め、小・零細規模が中心だったことが背景となっている。
 原因別での最多は、受注・販売不振が前年同期比3・2%増の63件。形態別では破産が前年同期比4・1%増の75件と最も多かった。従業員数別では5人未満が46件で、前年同期比4・5%増で半数を占めた。
 また、前年同期にはゼロだった新型コロナウイルス関連倒産が17件発生。全体の件数のうちコロナ関連が約2割を占めた。一方、21年上半期の人手不足関連倒産は10件(前年同期9件)と人手不足の問題はコロナ禍でも継続している。
 新型コロナ関連の資金繰り支援や巣ごもりによる宅配便の需要の増加などにより、倒産が急増するリスクは抑えられている。だが、「一部好調な分野もあるが、飲食店やアパレル向けは厳しい」(業界関係者)との見方もあり、コロナ禍の長期化で新たに過剰債務の問題も浮上している。東京商工リサーチは、下半期も倒産件数は緩やかな増加傾向が続くと見ている。