- 行政・業界団体
21/07/06
ロボット点呼、乗務後での導入目指し9月から実証実験開始
国土交通省は今秋から、人に代わり機械が点呼を行うロボット点呼の実証実験を始める。トラック、バス、タクシーの計19社が参加し、運行管理者が同席しなくても乗務後点呼が行えるかなどを確認する。同省は年度内にも、乗務後点呼で使う支援機器の認定制度案を固める方針で、来年度以降の実用化を目指し体制を整備する。
実験には各モードの業界団体から推薦を受けた企業が加わる。トラックは東亜物流、東海西部運輸、山陽自動車運送など計10社が参加し、短距離、ルート配送、長距離といった多様な運行形態で検証する=表1、2。使用する点呼支援機器はナブアシスト社の「テンコ・デ・ユニボ」で、2段階に分けて実験を進める。
まず9月に開始する1次期間では、運行管理者が同席した上でロボット点呼を実施。10月以降はもう一段階引き上げ、運行管理者が原則同席しない状況でも問題なく運用できるかを確認する。
対面と比較し確実性を検証
実験では法令上必要な項目を含め、ロボットが人の代わりに乗務後点呼を行っても問題がないかを検証する。例えば、本人確認では顔認証機能、免許証リーダーによるなりすましの防止を、車両や道路、運行状況の確認では音声記録と文字起こし通知機能で対応できるかを確かめる。他にも、酒気帯びや、積み荷・苦情の確認、点呼記録簿の作成などについてもロボットに代用させる。
国交省は期間中、参加企業に対し、対面と比較して各点呼項目を確実に行えたかや、実験中に起きた問題と対処内容、ロボット点呼導入による効果に関し、ヒアリングを実施。結果を踏まえ。点呼項目ごとにより厳しくするべき性能と、緩めてよい性能を明確にし、ロボット点呼を認める機器の要件案を考えていく。
ロボット点呼の導入に関し、国交省は乗務後点呼から始める考えで、年度内にも点呼支援機器の認定制度案の内容を固める方針。安全性を確認した上で省令改正などの手続きを経て、来年度以降の実現を目指す計画だ。