- 物流企業
21/06/22
日通とNEC、デジタルトランスフォーメーションで価値共創へ協業を強化
日本通運(本社・東京、斎藤充社長)とNEC(同・同、森田隆之社長兼CEO)は6月17日、デジタルトランスフォーメーション(DX)による価値共創に向けた業務提携契約を締結した。2013年の業務提携に続き、さらに協業を強化する。社会課題の解決を目指し、日通の物流網やノウハウ、NECの最先端デジタル技術を活用した新事業に取り組む。
短期的な取り組みは、IoT(モノのインターネット化)を使った倉庫オペレーションの効率化・省力化・無人化。倉庫のパフォーマンスを最大化して、労働力不足の解決に貢献する。輸配送現場も含めた物流現場全体での事故ゼロや人員配置最適化につなげる狙いで、日通が重点領域と位置付ける電機・電子から半導体、自動車のサプライチェーンへの展開も検討する。
中長期的な取り組みは、デジタル技術を活用した両社の新たな事業の創造。 AI(人工知能)や遠隔操作ロボットでの作業を提供し、距離を超えて人が人を支える社会の可能性を探る。また、物流プロセスのCO2(二酸化炭素)排出量の可視化と削減を図る。自社の改善に留まらず、サプライチェーン全体への波及を目指す。
両社は13年の業務提携以来、合弁会社「日通NECロジスティクス」の運営などを通じ、ともに物流の高度化・効率化に取り組んでいる。今回の協業強化に先立ち、20年10月から価値共創に関する探索プロジェクトを開始していた。