• 統計・データ

21/06/17

物流企業、今後の拠点戦略は「倉庫拡大と自動化推進」

 コロナ禍で急伸したEC(電子商取引)・オムニチャネルの物流量への対応として、物流企業の8割は今後、倉庫拡大の拠点戦略をとる。事業用総合不動産サービスのCBREの調査で分かった。併せて物流・荷主企業の6割が自動化設備を導入し、倉庫面積を確保しつつ人件費を削り、業務効率化を図る。
 新型コロナウイルスが感染拡大した2020年を経て、調査対象の物流・荷主企業の6割以上は今後の事業環境の好転を見込んでいる。3年以内の計画として「倉庫面積を拡大」とする回答は全体の74%となった。
このうち、物流企業だけでみると割合は82%にのぼり、面積を「10%以上拡大」も37%だった。また、拠点数も「10%以上拡大」と「0~10%拡大」の合計で69%にのぼった=グラフ1。
 また、拠点運営コストの3割を占める人件費に対し、物流・荷主企業が計画している施策は「機械化・自動化設備の導入」が64%、「新規の物流拠点開設・面積の拡張」が61%=グラフ2。物流企業の回答に限ると、割合はそれぞれ66%、75%に達した。
導入済みのテクノロジーは「倉庫管理システム」が3割。さらに今後の予定では「無人搬送機」と「RFID(無線電子タグ)・各種センサーなどのIoT(モノのインターネット化)」がそれぞれ15%前後となっている。
 緊急事態宣言や巣ごもり需要の中、20年12月の「インターネットを利用した支出総額」は前年同月比24%増。オムニチャネル化に対応した配送センターの需要も、物流業界が設備・施設の更新を急ぐ背景となっている。
 調査は今年3月16日~同26日、「物流施設利用に関するテナント調査」として実施。自社・賃貸を問わず国内で物流施設を利用する239社を対象に、物流企業170社、荷主企業69社の回答をまとめた。

【グラフ1】

【グラフ2】