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21/06/15

規制改革会議、生産性向上へ物流改革の答申を菅首相に提出

 政府の規制改革推進会議(議長・小林喜光三菱ケミカルホールディングス会長)は1日、デジタル社会の実現へ、生産性向上に向けた物流改革などを盛り込んだ答申を菅義偉首相に提出した。
 答申は、6つのワーキンググループ(=WG)ごとに規制改革すべき項目を取りまとめたもの。そのうち、「投資等WG」の分野で物流改革に関する6項目を示した。
 コロナ禍による巣ごもり需要やEC市場の拡大で宅配需要が急増している情勢を踏まえ、年末年始や夏期といった繁忙期に限り認めている自家用自動車の有償運送について、国土交通省に対象時期などの見直しを含む必要な通達の改正を行うよう求めた。

点呼支援機器認定制度化を

 また、デジタル技術を活用した非対面・非接触型の対応として、Gマーク(安全性優良事業所)認定事業所を含む優良企業のみに認められているIT点呼を、全ての運送企業で実施できるよう運行管理の高度化を進めるべきと提示。国交省が3月に設置した運行管理高度化検討会の実証実験を通じ、IT点呼対象拡大に向けた機器の性能要件の設定、自動点呼導入のための点呼支援機器の認定制度の構築を行うことを明記した。
 深刻化する下請け取引を改善する方策では、行政、荷主、運送企業の連携による対策の効果検証や他品目への横展開を講じるべきとした。共同配送の実現に向けた標準化の推進、宅配事業の生産性と消費者の利便性双方の向上につながる「置き配」の約款認可といった項目も並べている。
 答申を受けた菅首相は、直ちに規制改革実施計画を策定すると述べ、国交相を含む各大臣に「スピード感を持って改革を実現してもらいたい」と要請した。