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21/06/09
東京港、海上貨物の増加に対応しヤード不足緩和へ
東京都は、東京湾の機能強化に向け、RORO船やフェリーの貨物量増加に伴い不足するヤードの拡張を進めていく。拡張の規模といった詳細は年度内に検討し、早ければ来年度にも着手する。
海上輸送で使用されるシャーシやコンテナが、宅配便などの混載貨物を中心に増加。RORO船も大型化し、2019年の港湾統計資料「東京港港勢」によると、85%が総トン数1万㌧以上となっている。RORO船の定期航路が週に40便就航する東京港のヤードは、荷役作業に必要な面積が増える一方、シャーシの仮置き場が不足。船に載せる貨物が制限されるなどの問題が起きている。
北海道航路の拠点である品川内貿ふ頭(港区)では10年に、3棟の上屋と2棟の休憩所を撤去・集約して新上屋を建設。屋上を駐車場にすることで空いたスペースをヤードとして活用した。結果、ヤードは1万6400平方メートル拡張した。
荷さばき能力のさらなる拡大に向けては、土地に限りがあるため、上屋の階層を増やすほか、新ふ頭の整備も視野に入れる。品川内貿を除き3カ所ある東京港のRORO船のふ頭のうち、どこを拡張していくかは今後検討する。
フェリー荷物も増加見通し
フェリーの貨物量増加への対応も求められている。RORO船同様に貨物だけを乗船させるケースも多く、働き方改革や環境対策でモーダルシフトが進めば、さらにフェリー貨物も拡大するとみられる。また国は農林水産物と食品の輸出額5兆円の目標を掲げるが、輸出の際、各地の農作物の一部はRORO船に加え、フェリーでも東京港に運ばれる。こうしたことからフェリーふ頭(江東区)のヤード整備も急がれる。シャーシ置き場の確保に向け、既存のヤードから離れた場所にスペースを確保することも視野にれている。