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21/06/01
農水省、農水産品の輸出拡大目指し標準化・規格化で協議会
農林水産省は今年夏以降、有識者協議会を立ち上げ、輸出時に使う外装、パレットなどの標準化・規格化に向けた議論を始める。青果物を中心に非効率な物流が課題となる中、官民で対策を進めることで、2030年に農水産品と食品の輸出額を年5兆円とする政府目標の達成につなげる。
外装・パレットの標準化と規格化では、農水省が輸出重点品目と位置付ける27品目のうち、青果物・コメが対象。品目ごとに立ち上げる協議会、輸出関連の規格に関する団体にはメーカー、卸、小売り、運送会社、冷蔵倉庫が参加する。
農水省はまず、コメのように既存の協議会がある品目から議論を始める考え。みそや酒、菓子といった食品については、今年4月、加工食品業界のメーカー、卸、小売りでつくる民間協議会が策定した外装標準化ガイドライン(指針)を活用した取り組みを進める。
協議会では、例えば海上・航空コンテナのサイズを踏まえ、各品目でパレット化に適した外装サイズ・種類を検討し、生産・流通・販売会社が共通規格のものを使用できる環境を整える。
品目を識別するコードについても、現在は各品目でバラバラな上、生産地を見分ける機能がないことから改善策を検討する。
冷蔵・冷凍倉庫での温度管理、出荷方法、消費期限の扱いも規定していく方針で、農水省は協議会が始まる今夏までに、検討内容の優先順位などを決める考えだ。
青果物は主にパレットを使わず、こん包材の形が違う商品同士を積載することもあり、箱潰れが原因の食品ロスが起きていた。また品目や産地、出荷時期・単位もさまざまなことから、標準化や規格化の議論も行われていなかった。農水省は政府目標の達成には、国内の港・空港に貨物を運ぶトラックドライバーの労働環境改善を図り、人手不足への対応が必要と判断した。
外装関連では、加工食品の民間協議会が今年度、マテハンメーカーにも参加を促し、ロボットや自動倉庫の活用時にも耐え得る外装強度、外装破損の問題を議論する。