2020年の職場での熱中症、運送業は前年比24・５％増、死亡者はゼロ

　厚労省によると2020年、職場における熱中症による死傷災害の発生状況は、死傷者数が前年比15．７％増の959人だった。このうち死亡者数は同12%減の22人。暑さへの対応に慣れていない入職後の時期や休職後の熱中症の発症があり、また、屋内作業での発症も目立った。運送業の死傷者数は同24・５％増の137人で死亡者はいなかった。

　業種別の発生状況は建設業、製造業に次ぎ、運送業で多く発生していた。運送業の死亡者はいなかったが、車両の運転中に熱中症を発症して交通事故につながった事例など、熱中症を原因とする二次災害も発生している。
　11年から20年の過去10年間の発生状況は年平均で死傷者数625人、死亡者21人となっており、記録的な猛暑だった18年から20年の直近３か年における死傷者数は過去10年間の47・４％を占めている。

　新型コロナウイルス感染症拡大防止のため不織布マスクなどを着用するが求められているが、周囲に人がいないときに外すなどの工夫も熱中症対策に必要となる。