- 行政・業界団体
21/05/11
国交省、海コン不足で情報共有
世界的な国際海上コンテナ不足を受け、国土交通省は4月23日、関係者との情報共有会合を開いた。先月からは米国とアジア主要港での実態調査を始めており、結果をまとめた後、政府としての対策を示す。
農林水産省、経済産業省との合同会合には、荷主、船社、物流の業界団体が出席。コンテナ不足や取り組みの状況について報告した。
海コンを巡っては世界的なひっ迫と海上運賃高騰が問題となっている。米国では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要で輸入が急増する半面、西岸港では作業員不足による荷役作業の遅れで、船が港に入ることのできない沖待ちが発生。コンテナ製造の大半を占める中国が、米中貿易摩擦の影響による需要減を見越し、コンテナ製造を減らしていたことも原因となった。
調査結果基に国として対策
会合では、荷主から「40フィートに代わり20フィートコンテナを利用したことでドレージ輸送が増加し、欧米向けの定期コンテナも手配できないため、コスト増となっている」、「在庫の積み増しが不可能な青果物は空輸をしているが、運賃が高くスペースも確保できない」といった課題が報告された。
また船社、業界団体からも米国西岸港で船が1週間以上とどまっている状況や、コンテナ船の定期サービス維持に航路に投入されている船が一定間隔で航行する必要があるなどの声が上がり、国に改善を求めた。
国交省は4月から、北米西岸港やアジア主要港での実態と現地関係者の対応などについて調査しており、結果をまとめた後、改めて情報共有会合を開催。必要な施策を検討し、政府としての対策をまとめる方針だ。