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21/04/20

国の有識者検討会、大雪対策では「ためらわず通行止めを」

 大雪による車両の立ち往生が相次いだことを受け、国土交通省の有識者検討会はこのほど、道路交通の確保に向けた提言をまとめた。大雪時は人命を最優先に幹線道路上での大規模な滞留を徹底的に回避する考え方を持ち、道路管理者にソフト、ハードの両面で具体的な対策を求めた。
 道路機能を確保するため、ソフトの対策では道路関係者が連携し、必要ならためらわず通行止めを行うことを提言。除雪では地域に応じた体制を強化するとともに、作業を行う地域建設業の確保も求めた。
 短期間の集中的な大雪の場合は広範囲での通行止めや、高速道路と並行する国道なども同時に止め、除雪を集中して行うことで、物流途絶を回避する必要があると明記。立ち往生が起きた際は滞留状況を正確に把握する体制を確保しつつ、地方整備局と運輸局が連携して乗員を保護するなど迅速な対応を提言した。
 ハードの対策では道路ネットワークを強化すると同時に、中央分離帯開口部やUターン路の整備も必要と指摘。道路ユーザー、地域住民には通行止めの必要性や、ジャスト・イン・タイムの限界への理解促進、チェーン装着の徹底を求め、社会全体の取り組みも重要になるとした。