- 行政・業界団体
21/04/06
経産省・国交省の有識者検討会、温室ガスゼロで運輸団体にヒアリング
2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標の実現に向け、経済産業省と国土交通省は3月26日、自動車分野の取り組みを議論する有識者検討会を開き、業界団体などにヒアリングを行った。
同日の会合には石油、ガス、運輸の業界団体と組合連合会が出席。トラックからは、全日本トラック協会、全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会が説明に立った。
全ト協の桝野龍二理事長は、業界の現状や環境負荷低減の取り組みを紹介した上で、温室効果ガスを実質ゼロとする目標に「賛成する」と表明。一方、商用車を電動化するには、導入コストの安さ、充電施設の整備、操作や整備のしやすさ、積載量や耐久力といった貨物自動車の条件を満たすことが不可欠と指摘した。
全ト協は円滑な普及策要望
政府には、車両導入やスタンド整備の補助・助成制度や、次世代車両への優遇税制の拡充などを通じ、「(各社が)円滑に普及できる総合的な対策が必要」と強調した。
また、赤帽は車両価格やランニングコスト、充電設備などに加え、貨物軽自動車が抱える問題として、販売可能な規格のEV車が市場供給されるのかという点を指摘。現在、貨物軽自動車を販売するのはダイハツ工業、スズキが中心で、「メーカー判断で車両提供の可否が判断されると事業に大きな影響を与える」ことを懸念した。
温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標に向け、政府は昨年12月に示したグリーン成長戦略で、自動車分野は30年代半ばまでに販売する新車を全て電動化する計画を掲げている。商用車については、検討会での議論などを経て、今夏にも具体的な内容が示される見通しだ。