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21/03/30

安全プラン2020、死者数、飲酒で目標未達

 国土交通省は19日、事業用自動車の安全対策を話し合う有識者検討会で、事業用自動車総合全プラン2020の結果を報告した。トラック、バス、タクシーを合わせた全体の事故件数は目標を達成したが、死者数と飲酒運転は未達だった。各モードのうち、トラックはクリアできた目標がなく課題を残した形だ。
 2017年に始まった現在の安全プランでは、事業用自動車全体とモードごとで、20年までに達成する目標値を設定している。このうち、20年に発生した全体の事故件数は2万1871件で、目標の2万3100件以下を下回った。235人以下とした死者数は257人、ゼロとした飲酒運転による事故は36件となり、未達だった。
 またトラックは、各モードで定めた目標のいずれも達成できなかった。事故件数は1万2500件以下を目指したが、20年は1万3500件の事故が発生。200人以下とした死者数は231人だった。飲酒運転の事故も目標をクリアできず、特に20年に起きた36件は全てトラック。バス、タクシーは0件だった。

4月から次期計画が始動へ

 国交省の石田勝利安全政策課長は22日、専門紙の共同インタビューで「(正確な分析はできていないが)トラックよりもバス、タクシーで事故件数が減少したのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、走行距離が減ったことが影響しているのではないか」とした。
 飲酒運転に関しては、「昨年前半の増加を受けて対策を強化したことにより、後半は減少させることができた。成果を継続させることが重要で、今後は常習者対策の検討と実行が大事」とし、ドライバーへの指導監督マニュアルの改定などさらなる対策を進める考え。
 安全プラン2020の結果を踏まえ、国交省は4月から、新たな目標値を盛り込んだ次期計画を始動させる。25年度までに飲酒運転対策、ICT(情報通信技術)活用による運行管理の高度化、高齢者対策などを重点的に取り組み、事故削減を進める方針だ。