• 統計・データ

21/03/16

2020年の職場での熱中症、運送業は前年比22・7%増も死者ゼロ

 厚労省のまとめによると、2020年に職場で熱中症によって死傷した人は前年比10・8%増の919人だった。このうち、死亡は同24%減の19人。体が暑さに慣れていない入職直後や休暇明けの熱中症災害が多かったほか、屋内作業での発生も目立った。運送業の死傷者は同22・7%増の135人で、死亡者はいなかった。

 業種別の死傷者数は建設業、製造業に次いで運送業が多い。また運送業の死亡事例はゼロだったが、製造業や小売業で、トラックの荷降ろし作業やパレットの乗降作業後に体調不良を訴えるケースが報告されている。
 記録的猛暑だった18年を含む直近3年間の熱中症死傷者数は、過去10年間ののべ人数の47・1%を占めた。
 死亡の19件のうち、少なくとも入職からすぐの発生が2件、4日以上の休暇後の発生が4件。また、全体の2割は明らかに屋内で作業に従事していた状況下だった。炉など特定の熱源に近いところに限らず、冷房設備の故障による高温多湿の室内環境で熱中症を発症した事例もあった。

 熱中症災害は例年、全体の8割以上が7月および8月に発生している。20年は7月が前年比38%減の109件、8月が同32%増の623件だった。9月は同16%減の81人。死亡者数は例年9月の割合が高い傾向だが、20年9月は同66%減の1人だった。
 時間帯別では15時台の117人、14時台112人の順に多い。18時台以降は76人で、日中の作業終了から帰宅後、体調が悪化して病院に搬送された例も多かった。