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21/03/01

コンビニ共同配送の実証実験、納品時間調整で大幅な物流効率化

 チェーンの垣根を越えたコンビニエンスストアの共同配送で、特に納品時間の調節がカギとなり大幅に物流効率化することが分かった。共配によって、輸送距離の短縮、二酸化炭素(CO2)の削減、フードマイレージの削減、トラックの回転率・積載率・生産性の向上などの様々な効果が生まれた=表。流通経済研究所が2月26日、実証実験の結果を発表した。

 実験は昨夏、大手コンビニのセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンの計40店舗を対象に、共同配送・共同在庫の可能性について調べた。この結果、①チェーンに関係なく最も近い店舗で配送ルートを組むことで、輸送距離を短縮②輸送距離の短縮によって、CO2およびフードマイレージを削減③配送距離が短くなることで、トラックの回転率を向上④効率的な配送ルートを組むことで積載率を向上⑤納品時間を調整することで、トラックの生産性を向上ーーなどの効果を確認した。
 トラックの生産性については、実証期間中は店舗の納品時間を調整できずに納品店舗数が低下し、改善効果を確認できなかった。納品時間を調整し、最も効率の良いルートで配送する場合のシミュレーションを実施した結果、大幅な効率化となった。
 コンビニは全国で約5万6000店舗あり、今回の大手3社は災害対策基本法に基づく指定公共機関にも指定され、社会インフラの役割を担っている。この実験によって、これまで個別に物流の最適化・高度化を図ってきたコンビニ業界に、物流共同化の可能性が示された。