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21/01/19
ペーパー車検、5年間で25件の違反で国も監査体制を強化
法定点検をせずに車検を更新する「ペーパー車検」。依頼主の個人、運送会社と自動車整備会社が共謀して不正行為を行い、行政処分や逮捕者が出るケースが発生している。国土交通省は通報窓口を設置しつつ、全国の指定工場への監査を強めている。
昨年12月、警視庁と千葉県警は道路運送車両法違反などの疑いで、整備会社「玉井車両」の社長と検査員らを逮捕した。2019年10月~20年3月、改造ダンプ4台で保安基準に適合したように見せかけた虚偽の書類を作成し、不正に車検を通したという。不正な車検を依頼した建材会社の代表も逮捕された。
年2万件抜き打ちも限界が
国交省によると、15年度から5年間で発生したペーパー車検の件数は計25件。毎年数件の不正行為が発生しており、「金もうけに加え、知人の紹介から始まり、口コミが広がると断れなくなる事例が多い」と同省。過去には大型車で、積載量を水増しするためのペーパー車検も見つかっている。
民間車検場で適切な作業が行われているかについて、同省は内外から集まった情報を基に、年1回以上、約2万カ所の抜き打ち監査を実施。17年からは同省ホームページで、指定自動車整備会社の不正行為を通報できる専用窓口を設置し、情報収集を強化している。
一方、民間車検場は全国に約3万カ所あり、人員不足から全てを監査できない状態が続く。国による監査はトラック、バス、タクシーなどでも行われているが、同じ課題を抱えており、同省は民間車検場を含め、事前情報から違反の疑いがある会社に的を絞る、効率的な監査を進める方針だ。