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20/11/26

国交省、自動データ収集実験で成果を

 国土交通省は、倉庫内や配送現場での作業の省力化・効率化に向けた自動データ収集技術の実験を行っている。内閣府が主導する、産学官でAI(人工知能)などを活用し技術開発を推進する事業の一環。日本パレットレンタル(=JPR)やシステム開発会社のAutomagiなどによる8つのプロジェクトが動き出しており、成果が出てきた。
 JPRは、照明やカメラなどを装着したフォークリフトで荷姿ラベルの自動読み取り技術を研究している。実験では顧客の倉庫でオペレーターがフォークを運転しながら、1つのパレット荷物に貼った3枚のラベルの読み取り時間がどう変化するかを確認した。結果、カメラで撮影を始めた0・1秒後に上段と中段のラベルの読み取りに成功。撮影開始1・3秒後に下段のラベルも読み取れた。
 ドライバーがスマートフォンのカメラで荷物を撮影し、荷物の幅・奥行き・高さの自動計測、荷姿や外装表示の分類を行うアプリを開発しているのは、Automagiと東京大学。カメラから約1~4㍍の距離に荷物を置き、アプリの寸法線に2~3秒間、荷物を合わせて撮影。計測・分類したデータはサーバーに自動でアップロードされ、全ての作業時間はアプリ未使用時の4分の1になった。今後は早期の社会実装を目指す。
 機器メーカーのグローリーは、荷役や検品の画像認識システムを研究。顧客の倉庫で、システムと連動した監視カメラを使い10㍍先の荷役業務を記録できるかを調べ、成功。さらに、8月に始まったコンビニ大手3社の共同配送実験で、ビールケースの自動計数、配送ドライバーの自動認証を検証した。結果は、入庫確認の自動化、遠隔検品といった技術開発に生かす考えだ。