国交省、シベリア鉄道で日欧間のパイロット輸送を実施

　国土交通省は11月から12月にかけて、シベリア鉄道でブロックトレインによる日本ー欧州間のパイロット輸送を実施する。海上・航空輸送に続く第３の輸送手段としてシベリア鉄道の利用を促進するため、利用可能性を検証する。
　実施するのは、発地を日本、着地をロシアの西側に位置する欧州諸国とし、輸送手段の一部にウラジオストク発のシベリア鉄道のブロックトレインを利用したコンテナ貨物のパイロット輸送。
　11月５～６日に横浜港、11月８日に神戸港、11月12日に富山新港から出港し、11月13～14日にウラジオストク港着。11月18日にウラジオストク駅からブロックトレインが出発し、12月上旬に欧州到着、年内に欧州各地に輸送完了する予定。この間に、詳細コスト、リードタイム、トランジット輸送に関する手続きなどを検証する。
　国交省は、これまでロシア鉄道と協力して2018年度と19年度に、主にコンテナ１本でのシベリア鉄道による貨物輸送を実施してきた。今回はさらに踏み込んだ形で利用促進に向けた課題を検証するため、公募・選定した参加者の貨物を、ブロックトレインでの日本ー欧州間のパイロット輸送で運ぶ。
　1970～80年代にかけ、シベリア鉄道は日本から欧州に向けた貨物輸送に活発に利用されていたが、91年のソ連崩壊以後は輸送量は激減。だが近年、輸送日数などの面で一定のメリットが存在することから、海上・航空輸送に続く第３の輸送手段として、シベリア鉄道への期待が寄せられている。