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20/10/09

20年度国内貨物輸送量、7・2%減に下方修正

 日通総合研究所(本社・東京、青山陽一社長)は、2020年度の国内貨物総輸送量見通しを前年度比7・2%減と前回予想比0・3㌽下方修正した=表。前年度における消費増税の影響に加え、コロナ・ショックによる経済活動の回復の遅れで、生産・消費・建設全ての貨物が落ち込むと予想。貨物量の減少は3年連続で、今回の下落幅はリーマン・ショックのあった09年度の前年度比6・0%以上の落ち込み。
 貨物品類別では、生産関連が設備投資や輸出の不振を背景に、鉱工業生産・出荷が低迷する中で、前年度比9・5%減。新生活様式の定着でパソコンなど家電の一部に特需が発生するも、一般機械、自動車、鉄鋼、石油製品などが総じて低調に推移し、通年で低迷が続きそう。消費関連も、上期は日用品などを中心に10%近いマイナスとなる見通し。建設関連では、公共投資はプラスながら、大規模公共工事の発注の見通しが立たないことや住宅投資の大幅減もあり輸送量は同5 ・9%減と予測。
 輸送機関別では、JRコンテナが、大半の品目で前年度水準割れ。鉄道輸送全体では同6・7%減と再び低調に。フェリーを除く内航海運は大きなウエートを占める石油製品、鉄鋼、化学製品などが大幅減になるなど、生産関連貨物、建設関連貨物とも不振を見込み、トータルでは同12・9%減と7年連続のマイナスを予測。
 国内航空は、需要低迷に加え供給力の減少が足かせとなり、同28・7%減と大幅な落ち込み。
 国際貨物輸送では、主要8港(東京、横浜、清水、名古屋、四日市、大阪、神戸、博多)の国際海上コンテナ貨物輸送量を同5・3%減と予測。輸出は、欧米向けの外貿コンテナ貨物の輸出が3~4割も大幅減少したことから同9・2%減と2年連続のマイナスとなる見込み。輸入は自動車部品が一段と停滞し、機械類も引き続低調な荷動きとなっていることから同2・6%減と前年度割れが続くと予測。
 主要4空港(成田、羽田、関西、中部)の国際航空貨物輸送量は同11・0%減。輸出は、欧州線と太平洋線のマイナス幅が響き、同13・5%の大幅減。輸入はマスク・医療用品などの緊急輸入需要が一段落したことや、食料品の荷動きが失速し、電子部品・電気機械を除く機械類・部品類の荷動きの停滞などで同9・0%になる見通し。