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20/09/15

三菱倉庫、日米間の鮮魚輸送でリアルタイム・トレーサビリティの実証実験を実施

 三菱倉庫(本社・東京、藤倉正夫社長)とLOZI(同・名古屋市、渡邊重雄社長)は7月下旬、東京・豊洲市場からニューヨークの日本食レストラン向けの鮮魚の航空輸送で、リアルタイム・トレーサビリティ(貨物追跡)の実証実験を実施した。
 三菱倉庫では、国内外の関係会社や代理店と連携し、グローバルな航空輸送サービスを展開。生鮮食品や医薬・医療関連の取り扱いも多く、輸送品質の向上を目的に輸送状況をリアルタイムに顧客に提供できる「リアルタイム・トレーサビリティ」の構築に取り組んでいる。

トレーサビリティの概念図

 LOZIのSmartBarcode®システムは、単一QRコードで異なるデータへアクセスできることが特徴。このシステムの利用で、荷主、物流会社など、異なる事業者が介在する物流のサプライチェーンがシステム上分断されず、各事業者がスマートフォンでQRコードを読み取るだけで「モノの動き」がデータベースとして時系列に格納される。
 実証実験では、鮮魚の輸送ケースにSmartBarcode®を貼付して輸送。行程上の約10カ所の追跡ポイントで各担当者が輸送ケースのSmartBarcode®をスマートフォンで読み込み、輸送状況に関する情報をデータベースに格納した。これらの情報やデータをチェックし、事前に設計した情報処理フローの妥当性やシステムの動作状況を検証が行われた。
 輸送状況をリアルタイムに把握、共有でき、顧客から高い評価を得た。三菱倉庫は今後の実用化に向け、実証実験で得られたデータや課題を引き続き検証し、使いやすさの向上と輸送中の位置情報を管理する機能の追加に取り組む。
 また、生鮮食品と同じく、トレーサビリティが重視される医薬品、特殊化学品、精密機器等の航空輸送への応用についても検討していくとしている。

スマートフォン画面イメージ