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20/09/02

日本通運、医薬品の物流ネットワークをグローバル展開

 日本通運(本社・東京、斎藤充社長)は2021年2月から、医薬品供給の業務効率化を図るプラットフォームを製薬会社などの顧客に提供する。安心・安全な医薬品のサプライネットワーク構築とグローバル化を目指す。
 医薬品に特化した物流拠点を国内4カ所に新設し、独自で開発した医薬品専用車両を導入予定。また、海外の医薬品主要マーケットに物流倉庫を設け、同社の医薬品保管配送ロジスティクスを世界規模で展開していく。
 新たな国内の拠点は医薬品専用倉庫で、東日本、西日本、九州、富山に建設中。医薬品GDP(適正流通基準)および医薬品供給のBCP(事業継続計画)に対応する。倉庫での保管・輸送の共同化や、車両のラウンドユースによるトラックドライバー不足への対応など、業務を効率化するプラットフォームで顧客の要望にこたえる。
 

 新設倉庫の特徴は①入荷エリア、保管エリア、出荷エリアを明確に区分し、安全・確実なオペレーションを確保②トラックドック、前室、シートシャッター、エアシャワー、エアカーテンを配置し、入出荷作業の際の防虫管理とセキュリティを確保③定温、保冷の温度管理に加え、輸出入用の保税エリア、特殊医薬品エリアなどサプライチェーンのあらゆるニーズに対応④保管エリアは温度を24時間総合監視--など。
 医薬品専用車両の特徴は①各種セキュリティシステムによる安全・確実なオペレーション②複数温度帯に対応した空調設備③輸送中の動態管理を含めた温度監視システム--など。
 

 医薬品の輸送・保管には厳しい温度管理やセキュリティ管理が求められ、海外ではGDPの法制化が進む。日本でも18年、厚生労働省からガイドラインが出されている。同社は20年7月、医薬品事業部および医薬品物流品質保証室を新設。国内の医薬品サプライネットワーク構築からグローバルレベルへの拡充、さらにデジタル技術を活用したデータ分析でサプライチェーン全体の最適化を進めている。