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20/06/26

LIXIL実証実験、再配達率1・5割に減少

IoT宅配実証プロジェクト

 LIXIL(本社・東京、瀬戸欣哉社長)が東京都江東区・江戸川区で進めていたIoT(モノのインターネット化)宅配ボックスの実証実験で、再配達率が従来の41・7パーセントから14・9パーセントに減少した。
 行政の江東区・江戸川区、宅配業の佐川急便・日本郵便、クリーニング業のアクティーズの協力で実施した。再配達の削減にともなう二酸化炭素(CO2)削減効果やユーザーのストレスの変化などを検証し、6月24日に最終結果を発表した。

 江東区と江戸川区の戸建住宅約100戸にIoT宅配ボックスを無償提供し、モニターアンケートの結果をまとめた。外出先でも配達確認や応答ができるため、ほぼすべてのユーザーで宅配物の受け取りに関するストレスの改善が見られたという。約8割のユーザーがIoT機能を便利だと感じ、荷受け通知などのIoT機能を頻繁に使ったユーザーほど再配達削減に貢献している傾向が分かった。
 また、半数以上のユーザーで節電・エコバッグの利用など環境問題を意識した行動が増えたほか、6割が「自分で解錠する手間が省ける」などQRコードを使った複数の荷物の受け取りに魅力を感じ、利用者全員が「店に行く時間を減らせる」などクリーニング集配サービスを便利に感じている、との結果が出た。
 同プロジェクトではこのほか、QRコードのパスワード取得でユーザーの対応がなくても複数の荷物を投函できるシステムなど、IoTの活用した新たな社会サービスについても、特定モニターを対象に検証中。今後も再配達の削減に向けて宅配ボックスの普及促進を続け、健康や快適、安全が求められる「ニューノーマル」の時代に対応する商品・サービスを提案していく、としている。
 2019年11月1日から2020年2月29日までの期間中、「宅配事業者の約178時間の労働時間削減」と「約379キログラムのCO2削減」に貢献したという。