- 物流企業
20/06/24
佐川急便、荷物の積み降ろしの自動化を開発へ
佐川急便(本社・京都市、本村正秀社長)は、荷物データを自動収集できる自動荷降ろし技術に関する研究開発を進めている。研究を通じ、荷降ろし時の物流データを取得・共有し、サプライチェーン全体の効率化、生産性向上につなげる。
Kyoto Robotics、早稲田大学、フューチャーアーキテクトとの共同で行う。サイズ・重量・外装・荷札情報などの荷物の基礎情報や、荷降ろし場所・荷降ろし時間といった情報を自動取得するとともに、荷降ろし作業を自動化する技術の確立と社会実装を目指す。
現在製品化されているロボットによる自動荷降ろしシステムでは、①事前登録されたサイズや模様の荷物しか取り扱うことができない②事前登録された積み付け方以外取り扱いができない③パレットやカゴ車、コンテナへの直積みなどさまざまな積み付け形態に対応できないーーことが課題。解決に向けて、リアルタイムに荷物を認識するセンシング技術の研究を昨年12月から実施している。
3月10日時点で、パレットに無作為に積まれた段ボールの画像データ約2万枚に対して、認識成功率98%を達成。現在、デバンニングロボットへの適用を意図した更なる改良を進めており、8月末までに認識成功率99・9%の達成を目指す。同時に、Kyoto Roboticsが所有するロボット設備環境下で、事前登録されていないさまざまなサイズ、模様の荷物が無作為に積まれたパレットからの自動荷降ろしシステムの開発を目指している。
この研究は、内閣府のスマート物流サービス構築の取り組みの一環で、研究期間は2023年3月末まで。共同研究機関はそれぞれ輸送業務、IT、ロボット技術、公共政策の知見を持ち寄り、基礎的研究からシステム開発、社会実装まで取り組み、研究状況を適宜公開していく。