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20/06/15

経済同友会、物流クライシスからの脱却を提言

 経済同友会の物流改革を通じた成長戦略PT(委員長・山内雅喜ヤマトホールディングス会長)は6月10日、持続可能な物流を実現するための提言を公表し、営業用トラックの生産性向上や自家用トラックの規制緩和、国家としての物流戦略への関与を求めた。
 国内物流を担うトラック業界は、ドライバー不足。一方の貨物量は減少しているが、小口化が進み件数が増加している状況。加えて、手待ちなどの無駄も多く、ドライバーは長時間労働低賃金の業種となっている。
 これらの課題を踏まえ、①物流を国家戦略として捉える②環境への配慮③労働時間、労働環境、待遇などを適正化した働き甲斐のある仕事の実現――の3つを提言した。
 第1の視点は、限られた資源の有効活用と生産性向上。具体的には共同配送実現のためのハードソフト両面の標準化や翌々日納品などを通じた営業用トラックの生産性向上と、安全の担保・法令順守に係わる条件を統一、安全面や品質面を置き去りにした過度な運賃の値下げに関する懸念を払拭した上での自家用トラックの活用。
 第2の視点は、大型自動車免許を有する女性と外国人ドライバーの活用。新たな労働力の確保ということで、大きな効果が期待できる。
 第3の視点は、国家戦略としての機関設立・人材育成の必要性。そのために、物流デジタル化・標準化団体の設立、デジタル物流人材育成のために産官学が連携することを提言している。