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20/06/02

運輸デジタルビジネス協議会ら、QRコードでドライバー業務の効率化を実証

 運輸業でのICT(情報通信技術)活用などを推進する運輸デジタルビジネス協議会(小島薫代表理事)とウイングアーク1st(本社・東京、田中潤社長)は、国土交通省の「QRコードによる検品時間の短縮に関する実証実験」に参画し、QRコードの活用でドライバー業務が効率化されることを実証した。

QRコードによる実証実験

 今回の結果を踏まえ、5月29日には同省の「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 加工食品物流編」が策定され、今後はトラック運送事業者、発着荷主ら関係者が連携し、サプライチェーン全体で業界の問題解決を図ることが期待される。 
 

 実証実験は今年3月、「加工食品物流における生産性向上及びトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」で実施。ウイングアークの帳票クラウド「SVF Cloud」「SP Cloud」を利用し、加工食品メーカーから出荷される製品の出荷伝票および製品を受領する卸事業者の発行する受領書を電子化し、各伝票の流通をオンライン化。納品明細とこん包に付ける商品コードもQRコード化して検品作業を行い、効率化を実証した。
 伝票明細まで含めてQRコードでデータ化するため、納品情報や検品結果をシステム上で確認でき、納品時の目視での手間を省いて時間短縮が期待できる。ドライバーが紙伝票を事務所に持ち帰る業務も不要となり、検品作業以外の効率化も図れそうだ。
 ドライバー不足が深刻化しているトラック運送業界。運輸デジタルビジネス協議会の「人材不足の解消」ワーキンググループの分析では、10年後には物流費の20パーセント増が予測されており、今後ますますの省人化、IT・AI(人工知能)技術の活用が必須とされている。