- 統計・データ
20/04/13
2019年度の人手不足倒産、7年累積で道路貨物運送業が最多
帝国データバンクによると調査を開始した2013~2019年度の7年間、道路貨物運送業の人手不足倒産は82件と全業種で最多だった。
道路貨物運送業は、女性や高齢者が就業しにくく人手確保が困難になっている。2019年度は前年度比20・0%増の30件と、ドライバー不足による受注難から収益が悪化、倒産に至るケースが目立った。
全業種では7年間の累積で734件。直近の19年度は前年度比14・8%増の194件。発生。増加率は前年度の48・2%増より勢いは鈍ったものの、調査開始以降6年連続で最多を更新。右肩上がりでの推移が続いている。
この4月からは、大企業を対象に「同一労働同一賃金」の適用がスタート。一部業種を除く中小企業では、1年間の猶予期間を経て改正労働基準法による「時間外労働の上限規制」が適用された。労働条件や職場環境の改善が進む企業と進まない企業との格差はより広がる可能性もある。
さらに現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本への渡航や入国を制限する措置のため、来日できなくなった技能実習生などの外国人労働者不足が生じており、こうした影響のさらなる深刻化も危惧される。帝国データバンクは、「今後は多くの企業で定年によるベテラン従業員の退職などが進むなか、若手の定着や確保が困難な小規模企業を中心に、人手不足倒産は増加基調で推移する可能性が高い」と見ている。