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19/07/28

標準貨物自動車運送約款/未手続き会社に指導

国交省(約款で指導)(リンク先に参考ファイル)

 標準貨物自動車運送約款の改正に伴う必要な手続きを済ませていない運送会社に対し、国土交通省が指導を始めている。別件の監査で運賃・料金の変更届け出を行っていなかった場合、一部の地方運輸局では警告を出しているようだ。監査に入る前には約款の届け出状況を確認しており、各運輸局は「早期に必要な手続きを済ませてほしい」と呼び掛けている。

 2017年11月に行った標準運送約款の改正は適正運賃・料金収受を進める施策の一環。荷主津堂による荷待ちの対価を「待機時間料」、積み降ろしの対価を「積み降ろし料」、棚入れ、ラベル貼りなどの対価を「付帯作業料」とそれぞれ定め、運賃と別建てで料金を収受できるようにルールを改めた。
 約款改正に伴い、運送会社は標準約款を使うケースでは運賃・料金の変更届け出を、独自約款を使うケースでは許可申請を行う必要がある。既に大半の会社は必要な手続きを済ませているが、業界全体で1割ほどの会社は変更届け出などを行っていないとみられる。

違反会社に日車停止処分も

 仮に運賃・料金変更届け出を行っていない場合は、貨物自動車運送事業法に基づき、初違反で警告、再違反で10日車の処分が科される。独自約款を使用するにもかかわらず、許可申請をしていない場合は初違反で20日車、最違反で40日車となる。
 このため、国交省は昨年、必要な手続きを済ませていない運送会社に対し、「未手続きのままだと罰則や行政処分の対象となる」旨を伝える文書を送付。必要な手続きの流れ、処分の具体例を使え、監査により違反事実が判明してない場合は、行政処分の対象となる場合があるとしていた。

改めて早期対応を呼び掛け

 実際、一部の地方運輸局では別の案件で監査に入った際、複数の運送会社で運賃・料金の変更届け出を行っていないケースを確認。警告を出し、すぐに改善するよう指導したという。また、複数の運輸局では監査に入る前、自動車交通部の貨物課と連携し、必要な手続きを済ませているかをあらかじめ確認。「まだ該当するケースはないが、届け出違反を確認した際は指導を含め対応していく」(複数の運輸局)。
 標準運送約款の改正から1年半が経過する中、「(行政としても)行政処分を科したいわけではない。まずは指導し、直ちに運賃・料金の変更届け出を行ってもらうことから始めている」とある運輸局の担当者。その上で「業界の適正化を図るには、違反を続ける会社
に行政処分を行うことになる」とし、いち早く対応するよう呼び掛けている。