• 物流企業
  • コラム

19/07/28

拠点探訪/関東運輸の狭山物流センター

1階仕分け場の様子。ここから関東各地に食肉を配達する

  セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)グループの関東運輸(本社・群馬県前橋市、岡野修明社長)は昨年11月、埼玉県狭山市に最大規模となる狭山物流センターを開設した。東北方面からくる食肉などを、首都圏向けに配送する機能などを担う同社最大規模のセンターだ。3階には荷主の加工場も入居し、効率的な店舗配送を実現する。     

 狭山物流センターは1日50トン以上の荷物を扱い、平均40~50人の従業員が勤務。4トン車を中心に、70台が関東一円の量販店などに配達を行う関東運輸の最大拠点だ。

食肉の流通加工など手掛け

 主な取り扱い商品は肉。1階が荷さばき場中心、2階が保管庫、3階に荷主企業の加工場が入居する。「食肉加工場が、物流企業のセンターに入居する事例は珍しい」(遠藤直樹副社長)。
 入荷した肉を荷主のオーダーに合わせて3階に運搬。荷主が6ラインで小売り向けに洗浄や切り分け、パック詰めなどの加工を行う。その後、1階に降ろしピッキングを経てそれぞれの量販店などに向けて運ばれる。
 主要顧客が得意とする鶏肉に加え、牛肉、豚肉なども扱い肉の共同配送を実施する。「従来は、行き先が同じでも、肉の種類ごとにそれぞれ物流網があった。今回は、人手不足などを受けて荷主の複数センターを集約。他の肉の配送業務も一体化することで効率的な肉の共配体制構築につなげた」(六本木俊伸新拠点主幹本部新拠点主管部長代理兼狭山センター長)。種類の違う食肉の、店舗向け共同配送は全国でも初だという。

人手不足対応で荷主に提案

 人手不足で、荷主も庫内要員の確保に苦慮している。関東運輸は、荷主に対し、複数センター集約や共配実施による効率化をメリットに営業を展開。「現在でも複数社からの引き合いがある」(同)。今後、狭山物流センターをフラグシップ拠点に肉の共配に磨きをかけ、全国に展開していきたい考えだ。
 遠藤副社長は、「海外からの視察も増えており、注目は高い。セイノーグループの一角として着実に成長したい」とする。

【拠点概要】
住所 埼玉県狭山市広瀬台2ノ5ノ15
敷地面積 約16000平方メートル
建築様式 鉄骨造り3階建て
延べ床面積 約24000平方メートル
対応温度 チルド(5~7度)、パーシャル(マイナス3~0度)、フローズン(マイナス20度/マイナス25度)
トラックバース 28バース(10トン車対応11バース/4トン車対応14バース/2トン車対応3バース)
設備 垂直搬送機4基、貨物用エレベーター1基