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19/07/28

日通/鉄道コンテナ集配料を平均10%値上げ

 日本通運(本社・東京、斎藤充社長)は1日、鉄道利用運送のコンテナ貨物、混載荷物の届け出運賃・料金を改定した。労働人口減少で通運の集配ドライバーが不足する中、安定的で良質なサービス提供に向け、29年間据え置いてきた集配料の平均約10%値上げに踏み切った。

 5トンなどコンテナ単位で貸し切り輸送する貨物、複数顧客の貨物を積み合わせる混載荷物の集荷・配達料を距離や地域に応じて、従来比平均10・1%増額した。東京発大阪向けの場合、別建ての鉄道運賃を含む料金は、5トンコンテナ1個当たり6万700円↓6万2900円と従来比3・6%の値上げとなる。
 併せて、日曜・祝日の作業料を2割増しとする「休日割り増し」、午後10時~午前5時の作業料を3割増しとする「夜間・早朝割り増し」を新設。さらに、付帯料金の種別として「コンテナ内部の養生作業にかかる実費負担」を明記した。

良質なサービス維持に必要

 日通は2017年、標準鉄道利用運送約款改正に伴い、待機時間料と燃料サーチャージの新設、付帯料金として積み込み料や取り降ろし料を明記するなど鉄道利用運送の運賃・料金適用方を改定した。一方集配料については、1990年に国土交通省へ届け出て以来、据え置きのままだった。
 「良質なサービスを維持するには人材確保に向けた待遇改善が重要。ドライバー減少に伴う協力会社からの値上げ要請も多くなっている」と小泉芳久通運部長。新しい運賃・料金体系を基に、既存・新規顧客に対する実態の説明、理解を得るための交渉を推し進めていく方針だ。