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19/07/15

各社倉庫で、自動化の波 徐々に

日通が実験をしたロボット

 日本通運が7月、相次ぎ自動化・省人化の取り組みを始めた。1日、札幌の倉庫で無人フォークリフトなどを活用した出荷準備の自動化を本格稼働。都内の物流センターで、自動で走行するロボットと共同でピッキングをする仕組みの実証実験を実施し、今年度中の実用化を目指す。
 日立物流が、棚を自動搬送するロボット「ラックル」を導入したのが15年。日通は17年、「ロジスティクスエンジニアリング戦略室」を開設し新技術の検討を開始。札幌での出荷準備自動化も同室の成果の一環だ。他にもニチレイロジグループ本社が16年に技術革新推進部を設置し、自動化・業務効率化に向けたロードマップを策定するなど人手不足を背景に、自動化を研究する企業は増加している。
 そこで、改めて注目を集めているのが自動倉庫。供給側であるマテハンメーカーダイフクの運輸・倉庫の2019年3月期の受注高は、前年度比2倍以上に増加。「人手不足を背景に、流通関係で自動化が進んでいる。日本で特に傾向が顕著で、長期的に続くのではないか」(ダイフクの下代博社長)。

冷蔵倉庫の労働環境改善に

 北海道で食品物流を得意とする共通運送は、今年10月に札幌市内にしゅん工する「FK第6センター」のマイナス25度帯で、自動倉庫を導入する。「人手確保のためにも、過酷な環境は自動化しようと決定した」(共通運送)。
 北海道では、人口減少も顕著で「人手確保が最大の課題」(札幌定温運輸の伊藤邦博会長)。複数の中堅企業が、自動倉庫の導入を検討している。「会社の規模に合わせて、どのように自動化を導入できるか話し合いを進めている」(別の食品物流トップ)。今後、ますます労働力確保が難しくなるなかで、自動化を進める企業は一層増加していきそうだ。